美談渇望症候群

フェイスブックなるものを始めてかれこれ3年が経過しましたが、全く存じ上げない「友達の友達」からの友達申請に辟易いたしております。ポリシーとして、直接お会いしたことのある方以外には無反応でいるのですが、何度も申請してきて、終いには脅迫めいた恨み節で「貴方はどうして私と友達になろうとしないのか?」とまで問うてくる人までいます。SNSでは、お相手したいという意思を持たない相手にはお相手申し上げないのは当然だと思うのですが・・・というのはさておき、そのフェイスブックで良くある「シェア」と「いいね!」で表示されている「美談」についての意見です。

どこそこの子供が生活困窮に陥った時に先生が本を買ってやったとか、外国の貧困を救うために単身渡航し日々汗をかいているとか、ひどいものになると、交通事故に遭いそうになった動物を助けたとか・・・そういった内容が多く、それを「いいね!」と仰る方が多いのですが、そういう方々に、「愚生がボランティアとして活動している公益財団法人AFS日本協会のみちのく応援奨学金(被災地の留学希望者の為に設立された奨学金)にご協力いただけないか?」と申し上げると、「そんなことできない」と仰る方がほとんどです。

まず、ここで感じるのは、皆さん、「美談」を耳にすることが心地よいのであって、自らが美談の主人公になろうという意識を持っていないということです。そして、「おい、知ってるか?こんな良い話があるぞ。」と他人に押し付け、自らは汗もかかずお金も出さずに、良いことをした気分になりたいのです。そして、その内容なんぞはどうでも良いことで、感動さえできれば良いのです。

かなり古い話になりますが、「一杯のかけそば」という似非美談が流行りました。あの頃は未だ皆さん、自分の頭で考え、これが本物か贋物かを見抜く力を持っていたようですが、昨今の「シェアしてくれ」と廻ってくる美談の類はほとんどが眉唾物であり、世の中に本物の美談が無くなったから、或いは昔のアタリマエを今では美談として語りたいから・・・といった理由だけで、美談の垂れ流しをしているものに過ぎないような気がします。受け止める側の気持ちも考え、「美談の押し売り」だけはご勘弁願いたいのが本音です。

尚、みちのく応援奨学金は美談としてここに掲げたのではなく、本当に留学したいのにできない陸奥の高校生に微々たる金額を提供し、それを公言しない愚生の仲間達への敬意と、愚生自身の矜持の為にここに記しました。あくまでも、ご賛同くださる方がご賛同くだされば良い話で、関係ないヤカラは放っておいてください。

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