ワカモノの略語はおもしろい

「KY」という言葉が流行りだして久しいと思われます。ネット上の巨大掲示板あたりが発祥なのか、はたまた、JK(女子高生)の皆さんのクチコミなのかわかりませんが、その後、AKBというまさにビッグスターが現れ、NYCだとかKiss−myナントカとか、ブラウン管を賑わすグループなどにも使われています。思えばSMAPという今ではオッサンのグループも、元々は"Sports Music Assembled People"という、「おいおい、本当にそのジャニーさんという人は英語が理解できる人なのかい?」と突っ込みたくなるような言葉の略語だったそうですね。

そういったアイドルグループはさておき、BTW(by the way)、ASAP(as soon as possible)などは、実はとんでもなく昔・・・愚生がゲッキュウトリになった80年代以前から使用されていました。その頃の海外業務における通信手段は、メールはもとより、ファックスすら存在しておらず、テレックスという、今の若い人には理解できない機械を使用しておりました。国際電話は1分当り何百円かかるので、おいそれとは使用せぬようにと上司から釘を刺され、愚生が担当した欧州の顧客とはこのテレックスでやりとりをしておりました。テレックスも、「一文字いくら」の世界ですし、キーに「上段・中段・下段」の種別があり、その段を切り替えるのも「一文字」と計算されます。

数字とアルファベットは段が違うので、如何にアルファベットだけ、或いは数字だけで字数を少なくメッセージを作り、鑽孔機で、紙テープに直すか・・・が競われておりました。つまり、今の若い人がお遊びで省略形を使っているのとは違い、その技術が死活問題だったのが略語の作成と共有化だったと記憶しております。その共有化というか、一般化されていたメッセージでは、"PLS CFM ASAP"(早急にご決済ください)のようなものが多くありました。

さて、KYという言葉ですが・・・これは、小中学校での国語の成績がさほど良くなかった人が考えたことが伺えます。中学校で学ぶはずの日本語の文法における、「文の成分」を鑑みますと、「空気・読め・ない(ぬ)」と3つの単語に分けるべきで、そうなると、これは、 KYNと表記すべきでありましょう。KYが流行り始めた頃、「KYだと、『空気・読む』だから、KYNと言った方が良いよ」と若い人に言ったら、素晴らしい「返し技」を喰らいました。「これは、正しくは『空気・読め!』という命令形なんです」・・・と。それが間違って伝播してしまったのが「KY=空気読めない」だったということをあらためて基礎知識に加えておくことにいたします。

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