会社再建の人柱・中途退職者達の悲哀

リストラという言葉が解雇の意味として使用されるようになり、「リストラされた」という動詞的表現も日常用語となってしまいました。そういう方々のように割り増しの退職金など頂戴せず、自ら会社を去り、ゲッキュウトリ時代の約四分の一の年収をここ十数年味わっている零細企業経営者であるにもかかわらず、このリストラなる単語のおかげで、悪者扱いをされ続けているのは苦々しい事実です。

そもそもリストラとは restructuring ですから、正しくは「再構築」であるものです。実際に、経費の見直しの中、人件費という莫大な出費を如何にして抑えるかを考えたとき、単純に従業員を減らせばその金額が丸々削減できるという大変安易な手法ですが、何故、「全員の賃金50%カットの上、残る人だけ残ってくれ!」くらいのドラスティックなことをせず、残った者はせいぜい一割程度の「賃下げ」に留まるのでしょう。実は、私が経営する会社では、実際に50%カットに近いことを行い、「誰も辞めることを求めないが、去るものは止めない」を断行したことがあります。誰一人辞める者が出ず、「半年で元通りの所得に戻してやる!」という威勢の良い従業員諸君のお陰様で、難局を乗り切りました。このモデルケースはほとんど耳にしませんので、もしかしたら珍しいケースだったのかもしれません。

会社を辞めた者にとって、その会社が再建される事例は数少なく、その会社が結果として倒産するなどの危惧が大きいので、沈みそうな船からは早く逃げ出そうという意識が働くことも真実です。ただ、運良く「再建」ができ、一流企業になったとしても残った者だけが幸せになります。残された者の努力次第なのか、大きな運が関っているのかは定かではありませんが、こういった再建は、メガ企業においては良く見かける事例です。そして、辞めた者には、既に戻る席はないのは当然のことでしょう。

近頃では、就職氷河期どころの騒ぎではない上に、仮に他の会社に就職できたところで、よほどのことが無い限りキャリアアップは望めません。30年ほど前に、勤務先の上場企業が経営不振から希望退職者を募集した際、「オレは残ってこの会社を建て直してやる!」と若気の至りで辞めず、その数年後、別の事由で退職ましたが、残ると決めた志が今日の私の経営理念のひとつでもあります。世の中の若い男達に申上げておきたい。まず、簡単に辞めるな!キミの力で建て直せ!そして、もし、辞めるなら古巣の悪口は一切言うな!そして、全てを忘れ、前を向いて働け!「別れた女に未練を持っているのは男らしさに欠ける」というものです。もっとも、そういう女々しい男ばかりの世の中になり、女性が支配階級になってきている今日ですから、それなら死ぬまで奴隷として働けばよいのです。男尊女卑といわれようがどうしようが、話が違う方向に行ってしまいましたが、「女一人養えないような男なら去勢してしまえ!!!」というのが結論です。

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