「今更」だから善しとする〜〜被災地支援活動

高校三年生の娘が「軍手買ってきて」と唐突に、しかもたった7文字のメールを寄越しました。世間で言うような親子の断絶がある家庭でもなく、チャラチャラしたJK(女子高生を少し前はそう表現したそうです)と初老の父親の関係ではありますが、ごく普通の親子である・・・即ち、さほどコミュニケーションを取っているわけではないし、メールなんぞ滅多に寄越す娘ではありません。

メールなんぞを送るとは何事だ!と仰せの「昭和のお父さん」もおられるでしょうが、愚生は、さほど急がない用件はメールで寄越せと言ってあります。電話は商談中、運転中、そして、集中して作業している最中にかかってくると迷惑だと考えてしまうものですので、その方が楽だからです。ただ、説明も脈絡も無く軍手を買って来いと高校三年生の娘が言ってくるのは一体なんだろうと考えつつも、家に帰ってから「何でだ?」と問うてみました。

タイトルから当然計り知れたとは思いますが、あの東日本大震災から既に11ヶ月経過した今頃になって被災地へボランティア活動に行くとのことです。確かに昨年の春休みも「行こうかな?」などとのたもうておりましたが、その頃は単に「流行」での発言でした。そして、世の中の多くの人々同様、喉もと過ぎればなんとやらで、緑が眩しい季節になった頃には我が家の会話にもすっかりそのような話題はあがらず、俗人さながら「電気代が上がったらイヤだ」とか「政治は何をやっている」と、我欲に関る話だけをしておりました。

娘の行く高校で、昨今流行の「卒業旅行」なる話題の中で、被災地へボランティアに行くという話題が出たそうです。まったく「何を今更」でありますが、あの忌まわしい計画停電の最中、「被災地はもっと大変なんだから」と語り合ったことなどすっかり忘れており、ごくごく「日常」に戻っている今日、そのような話題が出るイマドキノワカモノに対して、「ニッポンの未来は未だ捨てたもんじゃない」と感じた次第です。娘は来週、十数人のクラスメイトと共に夜行バスで石巻へ行って「高校時代最後の思い出」を作ってくるとのことですので、翌日、軍手を10セットほど買ってやりました。ささやかな免罪符として。

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