バカが言葉を使うプロセス

言葉は常に流動的に使われ、流行り廃りがあります。私が勝手に師と仰ぐ嶋中労さんのブログで、「男の穴」なる記事を読んだところ、その理由の一端は「言葉狩り」ではなかろうか?・・・などと感じました。一方、最近、耳につくというか耳障りというか、「未曾有」「シーベルト」「草食系」等、単純に流行り廃りで使われている言葉がなんと多いことか。特に、今日は「未曾有」のように、昔からある表現でありながら、最近リバイバルして固定的に使われるようになった言葉を取り上げてみます。

話し言葉でも書き言葉でも、なんとなく難しそうな表現をすると格好良いと思われがちです。かく言う私も、全くそう思っております。たとえば、一人称としても、「愚生」「小職」等を乱発しており、相手の方に「モノシリな方は難しい言葉をお使いになりますね。」などと言われようものなら、「いえいえ、単なるエエカッコシィですよ。」と応えながら「うんうん・・・キミの言うとおり、私はモノシリなのだよ・・・」と心の底でほくそえむタチの悪い性格をしております。ところが、これが、相手方が「難しい言葉」と思うだけで済んでいれば問題は無いのですが、「理解できない言葉」である場合、大変困ったことになります。

多分、多くの方に「ボランチ」と言えばそれがサッカー選手の守備の位置取りであることは理解できると思いますが、全くサッカーを知らない私の母(82歳)にとっては「新しいメニューかい?」などと言われてしまいます。そして、そのボランチが本当はどのような位置取りであり、どのような機能を果たしているかを理解している人は、会話の流れで理解したつもりになり、時として違った意味で世間に蔓延してしまうものです。最たる例は「ホームページ」で、これは、我が国では本来の意味と違って理解され、「ひとつのURL下にある全てのページ」の意味で使用されています。

さて、どうしてそんなことが起こるのかと申しますと、メディアに露出する有名人が好んでそのような「使うとちょっと格好良い言葉」を間違って使ってしまうことに起因しています。特に、流行り歌を歌っているクワタ某とかヒラハラ某という脳味噌が軽い連中が、気軽に耳にした言葉を歌詞にしてしまうので、そういった残念な傾向を作り出します。悪貨は良貨を駆逐し、今ではガクシャ大先生のふりをした大学教授の皆さんまでそういう間違いを平気でするようになってしまい、悔しいことに、私も間違った用法を知らず知らずのうちに使っているらしいことに、気がつくたびに赤面し、反省している次第です。

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