敵前逃亡

小佐古敏荘氏というお名前は数日前まで全く存じ上げませんでした。内閣官房参与として、福島の原発を如何にしようということへ意見する立場にあったそうですが、20ミリシーベルトという数値(これが一体何なのかもわからずに申し上げますが)が気に入らないので参与を辞したとのことです。その行動が潔いと、私の大嫌いなブラウン管の向こう側の方が仰っていましたが、果たしてそうでしょうか。

メモを読んでいるだけの官房長官、パフォーマンスだけを重視している総理大臣、「笑い仮面」とか言われている保安院の先生、入院までしてしまった東電の社長さん・・・メディアでも世間でも、決して評判が良いとは言えません。それに対して、ブラウン管の向こう側で「政府の対応はなっていない」「東電は責任を取るべし」と口角泡を飛ばしておられるどう考えても無知蒙昧なキャスターもどきの方々や、フリップを片手にご自分のご高説をのたもうておられる専門家と称する方々は、妙に民衆ウケが良く、「あの人が言っているから」で世間の皆さんはすぐに信用してしまいますが、多分、東電の技術部門の方が何かを言うと「嘘だ!」と感じてしまうのが愚民の傾向です。

そんな中、小佐古氏は、行政側の立場に身をおき、それなりに、意見をしてこられたのでしょうが、結局、コメンテーター諸氏同様、ご高説を披露しまくり、電力会社の専門家、政治家、そして現場の方々の意見との相違が気に入らなくなってお辞めになるのでしょう。これを敵前逃亡と呼ばずして何が敵前逃亡でしょうか。その数値が人体に悪影響を及ぼすのであれば、職を辞することなく、自らの説の正当性を更に主張し続けるのがガクシャとしても、コクミンとしても、その義務を果たしていると思いますが、如何なものでしょう。

その数値が気に入らないのでその職を辞したということは、その数値に屈服したということにほかならず、ご自分の言い分は「間違いであった」と認めているのではないでしょうか。そうでは無いなら、この方は、「とんでもない数値が出ているが、政府は聞く耳持たない。で、あれば、あとは国民がどうなろうとオレの知ったことではない。」というご判断を下された非国民であるとしか考えられませんが、私は、他のコメンテーターの方が仰っている「この数値は煙草の副流煙程度です。」を信じますので、この敵前逃亡学者大先生は、単なるワガママのジジィであると判断することにいたします。いずれにしても、その数値がどういう意味なのか、私の能力の範疇を超えているので理解できませんから。

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