ジョンレノンミュージアム

私の仕事場から徒歩5分程度のところにジョンレノンミュージアムなるものがあります。いや、正確には先月末までそういうものが存在してました。ビートルズ世代と呼ばれるには少々若いとは言いつつ、その晩期の活躍は中学生の頃から大学生の頃まで、それなりに知っておりました・・・が、特にその音楽や主張に強く共鳴したり、涙したりしたわけではありません。

そのジョンレノンミュージアムが閉鎖されました。採算上の問題が一番大きいものでしょう。何しろご近所さんでしたので、その前を通過することはこの十年間、相当回数ありましたが、いつ見てもお客さんが入っているというイメージは無く、一体何のために作られたものなのか、理解に苦しむものでした。さいたまスーパーアリーナを作る際、その建設にあたったゼネコンが作ったと仰せの方がおられますが、高校の同期生がそのゼネコンに勤務しており、あれはオヤクショの方が付帯条件として提示したと聞いておりますので、ゼネコンの名誉のためにここで申し上げておきます。そして、行政関係の方々は事あるごとに「世界にひとつしか無いのがこのジョンレノンミュージアム」と仰っていましたが、本当にいつ見てもお客さんが入っている様子はありませんでした。

そのジョンレノンミュージアムを閉鎖することに一部の方が反対運動をしていたようです。このミュージアム世界遺産に値するものなのだそうで、特に閉館の2ヶ月前くらいからは大騒ぎをしていました。それに煽動された方々が報道には乗らない程度に騒ぎを起こしておりました。私の仕事場にも「閉鎖中止の署名をしろ」という人が何度か来たことがありました。

さて、そういう方々に申し上げたのですが、ここで、「なんで閉めちゃったの?」と仰る方に一言申し上げます。皆さんは本当にジョンレノンがお好きで、ミュージアムに何度も足をお運びになられたでしょうか?まあ、そういう方々も少しはおられるでしょうが、十年間に2度しか行ったことの無い、そして、別に「もう一度行きたい」などと微塵も思わない私としては、どうでも良いことです。むしろ、母校の傍のラーメン屋のおばちゃん(今となってはおばあちゃんですが)が、「もうトシだし、今時の生徒はこんなところでメシ喰わないんだよ」と言って店を閉めると言っている事の方が私にとっては「無くして欲しくない文化」ですし・・・皆さんもそういう「文化」をお持ちでしょう。ジョンレノンミュージアムよ、安らかに眠れ・・・