鳥類VS哺乳類?・・・口蹄疫被害と鳥インフルエンザの報道への違和

口蹄疫に関る多くの「被害者」の皆様には同情せざるを得ません。テレビを通じて拝見した酪農家の方々の悲痛な叫びは、全く自己責任でもないのに、ましてや「生き物」である家畜に対し、そこらの似非動物愛好家とは比較のしようが無い愛情を注いで育ててきたことを全否定されてしまう辛さは想像を絶するものです。行政は心血を注いでその対応に取り組んでいただきたいものです。また、国会でも、政局云々など関係無しに全会一致でその支援を早急に決めていただきたいところですが、どうにも「何でも反対党」とか、「人心攪乱党」の党員達が邪魔をしそうで不安です。

何年か前、「鳥インフルエンザ」なるものが流行し、多くの養鶏が殺処分になりました。忘れかけていた事実ですが、あの時も事態は深刻でした。ただ、今回の報道全般をあの時と比較すると、ターゲットしている「悪者」がいないことに気がつきました。正義を振りかざし、魔女裁判よろしく浅田農園の会長夫妻を自殺に追い込んだことで反省したのでしょうか。未だにその話をすると、浅田農園は犯罪者であったと仰せの方が多々おられますが、はたして今回の事象とどのような差異があるのでしょうか。

確かに鳥インフルエンザは人間への感染が深刻であるのに対し、口蹄疫は人間には感染しないという大きな違いはあります。ですから、浅田会長夫妻は人類の生き死にに関る部分で犯罪者であるとの判断が報道の魔女裁判により決せられ、口蹄疫はそうではないと決められたのでしょうか。私は浅田会長夫妻や他の犯罪者扱いされた養鶏業者の方々とは何のご縁もありませんが、仮に身近な人間がそのような理由により自殺に追い込まれたとしたら、報道による殺人であることを訴え続けたのではないかと考えます。

或いは、鳥類は哺乳類より人間から遠い存在だから、鳥類を忌み嫌った部分があったのかな?などという変な発想まで出てきますが、もしかしたらメディアのエラい方々が談合し、「あのような自殺者でも出たらたまらんから、今回は『悪者』はつくらないでおこう」と決ったのではなかろうか・・・と、相変わらず穿ったモノの見方をしてしまいます。仮にそうであったとしても、今回の事態に関する報道はその改善点が見られるので善しとします。とにかく、このような事態は行政ができること、政治ができること、そして報道ができることを早急に纏め上げ、私達市民に「して欲しいこと」を周知せしめる必要性が高いのではないでしょうか。それらが判るまでは、酪農家の皆様のご心労を心より同情させていただきます。