またしても愚民の選挙

基本的に上演禁止になった落語に「一つ目の国」というのがあります。どこぞに村人全てが一つ目だというところがあると聞いて、その村で「一つ目小僧」を捕らえて見世物小屋に売り払おうと考えた人が、その一つ目の国にたどり着いたところ逆に捕らえられて「二つ目小僧」として見世物小屋に出されてしまうといったストーリーであったと記憶しております。これが上演禁止になったのは、障害者に対する配慮が云々という事情ですが、それ自体が単なる言葉狩りであろう・・・という議論はまた別の機会に述べますが、最近、私は自分がこの二つ目小僧になってしまったような錯覚に捉われます。

過去、何度も行われた選挙という国民がその生活を掛けるために意見できる唯一無二の政治活動に際し、実は単なる人気投票が繰り返され、本当の政治家を政治の場から相当数「駆除」してしまいました。2ヶ月少々後に、参議院選が行われるわけですが、このところ、その候補者になったと言われる方々がメディアの話題のひとつとなっております。それらは、実際に政治を司る能力を持った人々ではなく、芸能人やスポーツ選手ばかりです。これらのタレント候補なるものは、単にそれぞれの政党の集票マシンに過ぎず、当選しても立法府において何の役にも立たない人々です。

前回、衆議院選挙が行われた時も、どことなく半島の独裁者に似て非なるオザワという幹事長さんの下、芸人とキャバスケと病人が当選しました。特にこの「病人」の方は、芸人やキャバスケと比較すれば、まだ「政治に物申す」気持ちをお持ちであることは認められます・・・が、果たしてこの方に経済成長対策や国防問題に関る知識がどの程度あるのか?という疑問を持つ方が何故居ないのでしょうか。政治家というのは優秀なジェネラリストの集団であるべきで、一芸名人は議席の無駄遣いだということに何故気がつかないのでしょうか。異論もあるでしょうが、所詮、衆議院議員参議院議員足しても700程度の議席しかないのです。議場ではその何十倍もの事項が審議されるべきですから、一芸名人では困るのです。

投票に行かない方は論外。そして行く方は、そのようなことを踏まえて、優秀なジェネラリストを選ぶべくしっかりとマニフェストを読み、正しい「選良」に投票していただきたいと考えます。何しろ、最近では、昔水着を着て世のオトコに媚を売っていただけのネェチャンがあたかも有識者のようなフリをして、「二番じゃダメなんですか?」などと噴飯発言をしても、それをバカと言わない「一つ目」ばかりになっちまったのですから。もしかしたら、本当は私が一つ目で、二つ目の国に紛れ込んでしまっただけなのかな?と思うと怖いのですが、そうであるなら、私の帰るべきところを誰か教えてください。