税金の使途と徴収元

新政権誕生とともに、株価が緩やかな下りカーブを描き始めました。あれほど望んだ政権交代に対する経済通のひそやかな不安がそういう動きを見せるのでしょう。まだ、その新政権の評価ができるはずもないのですが、メディアは早速新政権の悪口をそれとなく発信し始めたというところもあります。与党の辛さを民主党はしっかりと味わい、正しい方向へ我が国を導く作業をしていただきたいところです。

さて、ここで、あらためて、選挙というものはなんだろうとよくよく考えてみると、要するに、国会というところで、税金の使途を決定する人達を選ぶ作業ではないかと考えます。税収がいくらあり、何にいくら使えるかをこれからしっかりと決めていただきたいのですが、どうにも、民主党マニフェストなるものを読んでみると、収入はいくらあるかを考えず、あれもやりたい、これもやりたいと・・・要するに、場当たり的資金繰りを見ているようで、どこぞの自転車操業をしている不良零細企業以下に見えてしまいます。そして、メディアの論調では、「行く行くは増税」となっておりますが、これもまた必然でしょう。

高速道路の無料化も、こども手当も大いに結構なことです。ETCというのが導入されてから、月に1〜2回、東京へ出かけるときに首都高速を使う程度で、末子が高校生になっている私ですが、自分にメリットが無いと言うだけの理由で反対するつもりはありません。しかし、それらのことで、恩恵を蒙ることが無い人が多すぎるのではないか?と感じております。八ツ場ダムというのが、八割方出来上がっているものを中止にするそうです。確か東京都で世界都市博がそんなイメージで中止になったことがあり、そのために失われた経済効果はたいしたことはなかったのだと仰せの有識者の方がおられましたが、世界都市博とダムでは、その用途が違うような気がします。今年の夏は水不足が話題になりませんでしたが、折角その渇水対策として作られるはずだったダムを作ることを中止するのであれば、そういう法案を出す人はひと夏の間、水を一切飲まないくらいの覚悟をしていただきたいものです。

そういえば、今年に入って首都圏のJR駅が全面禁煙になりました。タバコというのは、結構な税源ですし、前回のタバコの値上げは確か旧国鉄の赤字補填を見据えて、1本あたり1円が使われていると聞きましたが・・・つまりは、喫煙者はその赤字を補填するために「吸ってやっている」タバコを赤字を出した責任のあるところでは吸ってはいけないという・・・これまた、納税者に対する非礼のような気がするのは、何故なんだろうと思うと、結局、国民は黙って税金を納めれば、使い方はエラい人たちが勝手に決めてくれるという図式に見えてなりません。