高速道路1000円の無駄遣いと不合理

世間ではゴールデンウィークとかいう大型連休が概ね終わったようです。一部の会社では5月10日までお休みにしているようですが、まあ、経営者の立場から見れば、操業停止による経費削減という見方もできます。いずれにしても、私の場合は3月決算の申告を今月行うので、この期間は従業員のいないところで、会議机一杯に領収書を広げ、カルタ取りのように、その作業をしている期間なので、世間とはちょっと違った過ごし方をしておりますが、それもまた楽し・・・と思っております。

さて、その間、ラジオを聴きながらの作業でしたが、常に交通情報は渋滞何キロということばかり。どうやら、高速道路の料金をどこまで行っても1000円なんぞということにより普段は遠出しない方々が例年以上に出かけたことに起因しているようです。それにしても、全くバカなことを決めたものだと感じて仕方ありません。普通車両に限るなどとしたがために、職業ドライバーの皆さんにとっては運転に慣れていない人々にひやひやしつつの運転となるでしょう。ただでさえ、お仕事で車に乗っておられる方々にとっては、遊びに行く連中の姿は目障りなのに、何時にも増しての不快感を煽ったに違いありません。

そして、「1000円だから」という理由だけで、意味も無く出かけた方々は、実は、出かけなかった方よりよほど無駄遣いをしたということに気がついていないようです。本来ならガソリン代と合わせて2万円かかるところを1万円程度で行けるというのは事実でしょうが、では、1000円になっていなかったら出かけなかったという人にとっては、無駄な1万円を使っただけの話であることに気がついていないようです。

ニッポンのエラい人達は、こんなことで、景気対策だとお考えのようですが、一般車両なんぞは、無用に渋滞の原因を作り、排気ガスを撒き散らしているだけなんですから、この決定は全く逆であるべきであったと思います。もともと大型車両は高速道路の通行料金が高いのですから、それを安くし、いろいろなものへの還元を期待すべきではなかったのでしょうか。仮にバス会社なら、「高速道路特別割引還元セール」ができますし、宅配便等ロジスティック産業も同様です。車も買えず、それでも田舎に帰りたいとか、故郷から何らかのものが送られてくるとか・・・そういう人達にとって、バス代金や宅配料金が100円安くなるとしたら、そのほうがよほど庶民の救済ではないのでしょうか。車を持っている時点で特権階級であるという意識を持ち、道路を傷め、排気ガスを出している分の弁済は行うという人としての心を失っている方が増殖していることを露呈したに過ぎないのが、この渋滞の裏側に垣間見えました。