過剰サービスの銀行

最近、振込等はネットバンキングで行えるためか、銀行に行って窓口で待つということが極端に少なくなりました。昔は毎月末日ともなると番号札を見れば30人とか40人とかが待っているので、ちょっと用事を足して・・・などと一旦外へ出て、戻ってみると自分の番号は通過してしまっており、それを言っても杓子定規に「順番ですから」なんぞと言われて再度番号札を引いて・・・などという不愉快な思いをしたこともありましたが、昨今では、窓口で長時間待たされることはほぼ無くなり、また、自動機コーナーもそれなりに速くなっている様子でありがたいことです。

しかし、実は銀行というところは、人が余ってしまったのか、はたまた最近の振り込め詐欺などの防止のためか、ロビーにいる人が増えているようです。過剰サービスという表現をしましたが、私が感じているのはむしろ「余計なお世話」或いは「不愉快なサービスの押し売り」です。と言うのも、ちょっとしたことで窓口に用があるとき、まず、記帳台に行くと、いきなりロビーの担当者が横にやってきて、「本日はどのようなご用件で?」などと聞いてきます。当初はそれなりに応えましたが、目の前に必要な書類は揃っていて、何を書くべきかも全て理解している人間に対して、手取り足取りの「指導」が始まります。最近では「結構です」とお断りするのですが、それでも記帳をしている横から覗き込んで「指導」をしようとします。

どうやら、そのロビーにいる人々の多くは銀行の正社員(というのでしょうか)ではなく、臨時雇用の形態の方が多いようですが、あそこまでして「働いてますよっ!」というところを見せないとクビにでもなるのでしょうか。不思議で仕方がありません。また、個人情報なるものに大騒ぎしている最先端の業界のはずなのに、頼んでもいない人が勝手に人の通帳やら書類やらに手を伸ばし、見ようとする姿は異常としか思えません。このまま行ったら銀行の窓口で待っている間に靴磨きやら肩揉みやらのサービスでもしてくれるようになるのではないかという勢いすら感じます。

サービスとは、顧客が求めている時にするもので、不必要なものは前述の通り「押し売り」に過ぎないし、実は多くの人がこの過剰サービスに辟易しているのではないかな?と感じます。当然、そのサービスを必要とする人にはやさしく接していただきたいのですが、あれだけの人がロビーにいるようになると、今度は、そのサービスを装った詐欺が横行するようになるんじゃないか?などと感じてしまうのは・・・やはり私が偏屈だからでしょう。