煙草一箱壱千圓也

愛煙家の皆様、昨今煙草が値上がりするという風評に惑わされておりませんか?庶民の楽しみと称され、他人の迷惑省みず処構わず紫煙を燻らせる人は大分減ったとはいえ、副煙流による周囲に与える健康被害と気分的なダメージは計り知れぬものですし、街が汚れることも一切気になさらない貴兄等の行為は偉そうにエコだの地球環境だのという発言をする以前に、人としての資格を問われるべき姿です。いっそのことこのたびの値上げを良い機会と考え、禁煙されることをお勧めいたします。

かく言う私は愛煙家。ショートホープというニコチン・タール共に含有量がそこらの方々の吸っている煙草の数倍あるものを1日15〜20本煙に替えています。然し、喫煙マナーに関しては自信があり、許可された場所以外での喫煙はいたしませんし、できうる限り、周りの方々への「煙の暴力」が及ばぬように考えております。そんな私ですから、一箱千円は確かに痛い。とはいえ、その値上げ、決して驚くことでもなく、むしろ、仮にそれが1割り増しやら2割り増しならまだしも、千円となったら絶対に禁煙などしないぞと公言しております。そもそも煙草なんぞというものは庶民の楽しみではなく、上流階級の高貴な嗜み。そして、高額納税者としてのステータスを誇示する材料のひとつに過ぎないと考えているからです。

どこぞの蛙面をした貧乏を売り物にしている似非経済評論家が前回の値上げの際に煙草を100万円分購入し、冷凍保存しているとのこと。そして彼は次回の値上げ前に一生分の煙草を買い占めると仰せだそうです。誹謗中傷と言われることを承知で実名を挙げますと、その方の名は森永卓郎大先生。年収300万円で楽しく暮らせるという至極当然なことを本に書いて実質的にはその何十倍の所得のある方です。そして、貧しい人の防衛策として煙草を買い占めるとのことですが、残りの人生分の煙草を買い占める・・・30年と仮定しても1日2箱の場合、約650万円を煙草の買い置きに使える方が年収300万で暮らせるとは噴飯物。流石は庶民的経済観念無しに机上の空論を述べ人心を惑わす思想テロリストだと感服いたしております。

まあ、そういう人として問題のある人はさておき、本当の愛煙家の皆様方に提案いたします。前述のように煙草というのは庶民の楽しみではなく、貴族の贅沢です。値上げするとかしないとかの前に、堂々と「喫煙による納税効果」を主張しようではありませんか。今ですら、我々が一服するたびに旧国鉄の赤字を1円埋めているんです。一箱千円になったら、一服するたびに40円以上の納税です。値上げしたら禁煙するなどというケチなことを言わず、皆で堂々とステータスを誇示し、高額納税者になりましょう。