凄い水着があるもんだ

北京での五輪開催に関して巷が盛り上がってきた感が強い今日この頃です。私は五輪そのものに否定的なので、その報道に関してはさほど気にならない日々を送っておりますが、やはりスポーツは好きですので、関連情報はそれなりに気になっております。真実なのか都市伝説なのか、彼の地では空気が悪く、選手の健康状態が懸念されるとか治安が不安であるとかの問題点はあれど、私の嫌いな彼の国の方々も、いくらかは気を遣っておられるでしょうから、その浄化作用に効果があればそれはそれで結構なことです。

それにしても、最近では水泳に関し、その水着によりタイムが格段に違うなどの話題が大きく取り上げられております。実は中学校までは水泳部に所属しておった私ですので、この辺はそれなりに興味を持っております。既に40年近くが経過したので、記憶は定かではありませんが、大会の前日になると体毛を剃れば少しでもタイムを出せるんじゃないか?などと考え、実際に脇毛や脛毛を剃って試合に臨んだこともありますし、水着に関しても、今とは全く違ったブーメランパンツでしたが、その腰紐部分を一番短い状態にし、水の抵抗を小さくすることには結構気を遣った覚えがあります。

今日、その水着を日本の選手が使用して良いかどうかが論点であるとのことです。確かに記録が出る水着はすばらしいのですが、さて、今まで選手達に合致した水着を開発するために日々努力してきた既存のメーカーさんたちの心情は如何に?と考えると、いちがいに良い水着を着ればよいと言い切れない私がいます。既存の水着メーカーの方々は当然、選手に合わせたものを作る努力をしてきておりますが、それ以上にそれらの選手の生活の面倒まで見てきているはずです。そして、選手が派遣されるための費用もかなりのところで負担していることでしょう。確かに企業努力と結果は別物であろうとは思いますが、既存のメーカーさんが気の毒でなりません。

五輪に関わる全ての組織がそれらのメーカーさんから半ば脅迫的に資金を調達し、その結果として選手が派遣できるはずですから、既存のメーカーさんは金だけ巻き上げられ、他社に全てを持っていかれてしまうという不運に遭遇しているわけです。競争の原則は否定しませんが、五輪に関わるキレイゴトを並べ立てている組織の皆さんや、選手の方々ににここで一言申し上げたい。そのスピード社製の水着を使用するなら、もともと契約していたメーカーさんに今までかかった費用を全て弁償しなさい。「泳ぐのは僕だ」という表現は実に正しいのですが、その「僕」を食わせてくれたのは誰だか?そのあたりが理解できないのは、選手として一流でも人間としてはゴミに等しいと思います。