中国餃子報道の怪と戒

先週、「中国製の餃子に毒物が混入」と報道されました。いろいろな事実が解ってきている様子ですが、一体「何時、誰が、何処で」という部分、そして、故意か過失かなどという部分は全く闇の中です。世間ではここで、中国産品への不審などが取り沙汰されていますが、この報道に見る「怪しいこと」と「戒めるべきこと」をなんとなく思いついてしまいました。

報道における言葉の怖さというのは、短い言葉で多くを伝えようとするためか、真意が伝わらず、何か違う部分が誇張されてしまうところにあります。今回の報道においても「餃子に毒物」が最大のポイントであるはずなのに、なぜか「中国産」が前面に出てきています。確かに中国産品であることは真実ですが、この報道においてはあたかも中国の人が毒物を混入した、或いは彼の国は管理が杜撰で云々・・・といったイメージが強く出ています。普段であれば、「反共思想」の持ち主である私が中国を支持することはほとんどありませんが、今回だけは何か日本のメディアに対して反省を促したいところです。

毒物が発見されたこと、そして被害者が出たことに対して、責任の所在を追及するのは「メディアの正義」*1でしょうが、初っ端から「中国で」ばかりがクローズアップされていたような気がします。毒物は何処で混入されたかなど全くわからないうちから、中国の製造会社の名前が出てきて、その管理体制がどうであるとか、こういう報道では当たり前に使われる「元従業員」などの反抗的発言などがあちこちのメディアで騒ぎ立てられました。これがもし、我が国の一部の愚民が愉快犯的に行った犯罪であったとしたら赤っ恥もいいところではないでしょうか。若しくは、他の反日思想を持つ国或いはその国民の仕業であったとしたら、まんまとその策略に乗せられたことになるのではないでしょうか。

この一連の報道で得をした人は全くおらず、多分、実際に毒物の被害にあった方のほか、「餃子」をメニューに載せている飲食店や、販売している店舗はそれなりのダメージを受けたでしょう。そして、要らぬところで、中国という国やその人民に対する不信感をあおり、大なり小なり確執を作ってしまったということでしょう。我々一般市民としては、メディアの言うことだけを鵜呑みにせず、真実を見抜くようにしていくことが必要ですが、メディアそのものはこれを反省し、「正しい報道」を心がけていただきたいものです。何か関東大震災の時に「朝鮮人が井戸に毒を入れた」という風評により理不尽な差別行動があった時に似ており、我が国も進歩していないのではないかと考えると悲しくなってしまいました。

*1:(私から見れば、糞虫どもの自己満足)