全ては政治家の責任

少し前に大学生が自殺をしたという報道がありました。なんでも、その大学生はある教科の成績が悪く、結果、単位を落としたのを苦に自殺を図ったとのこと。つまりは教授がその大学生の単位を認めなかったことが自殺の原因であり、教授が配慮していればこの自殺は無かったはずであると夜のニュースのコメンテーターやら新聞の記事やらに書かれていたことを記憶しております。

小学校の遊具が壊れて怪我人が出たという報道がありました。なんでも、その小学校では遊具の管理ができておらず、本来どこまでの負荷がかかったら問題が発生するなどという意識が教員に無かったとのこと。これまたテレビやら新聞やらで管理責任がどうのこうのとまくしたてていた記憶があります。

これらの事件で言える事は、当然ながら人の安全が損なわれたわけですから、どこかにその問題の原因があるはずで、メディアは「それっ!」とばかりに犯人探しを始めると言うことです。確かに被害者の方々はお気の毒ですが、その被害者の方々を視聴率競争の道具として使い、人の不幸をメシのタネにしているメディアは一切責められることなく、更にはその被害者の方々の矛先をどこか違うところに向けようとしているような気がしてなりません。

そして、大抵の場合、街の片隅で発生した悲しい事故の原因は、その場の管理をすべき当事者が悪く、その上長的存在である地方行政が悪く、更にはその行政区においての政治を司る地方議員が悪い・・・本来は地方議員と国会議員には絶対的なリンクが存在するわけではないのに、いつのまにか国会議員が悪い・・・結局のところ「政治が悪いから」と言えば世間が納得するという不思議な図式の中、全ては政治家の責任であると言わんばかりです。我が子が転んで膝をすりむいたらその責任を安倍首相に問うてみようか?などと考えたくなるのが昨今の世間であるような気がしてなりません。