それどころじゃない

世の中では日々納期遅れ、遅刻、手違い等により、先方に詫びを入れるということが必要になる事象が発生します。私なんぞはまず詫びてから言い訳をしたりするのが殆どの場合であろうと考えておりますが、昨今では詫びを入れるなどという行為は後回しで、まず言い訳から始まるならまだしも・・・できなかったことに対してあたかもそれが当然であったという態度を見せるような気がしてなりません。

先日も、とある団体の業務を若い人に頼んでおいたところ、納期になっても何もいってこないので電話をしてみると「忘れてました」の一言。謝罪の言葉も何も無く、「それで、どうするのだ?」と問うと「今、忙しくてそれどころじゃありません」と返答がきました。それどころじゃないそうです。要するに、本来、その納期が守られないことで、数百人の会員が迷惑するのですが、それ以上に重要な事象が彼にはあるようです。

といったことを述べると「事情はわかりますが、私は今それどころじゃありません」という答えが返ってきます。「で、キミは一体、何がそれほど忙しいんだ?」と問うと「コンビニのバイトが忙しいんです。」とのこと。何でも他のバイトが休みがちなので、彼が休むとその店の業務に支障を来たすのだそうです。そして、それでは店長なりオーナーなりに迷惑がかかるからその団体のことをやっているどころじゃないのだそうです。

と、これはあくまでも私の愚痴なのでしょうが・・・天秤ばかりにかけたとき、どちらが重いか一目瞭然なことでも、とにかく何らかの理由さえつければ「それどころじゃない」で片付けてよいのが今日この頃。そしてまた、それを容認してしまうのも昨今の風潮ではないでしょうか。要するに世の中の考え方が自己中心的且つ短絡的になっていることの象徴に見えて仕方がありません。