私立対公立の栄枯は廻る

学校教育に関し、公立離れが顕著になっております。現在、公立中学校の一年生、二年生の子供を抱える我が家でも、昨年、一昨年の今頃、家内の周辺では「どこそこの私立中学を受験させる」などの話題からはじまって、何故我が家ではその「中学受験」をしない(させない)のか?と、批判めいたことまで言われていたそうです。PTA役員を務める家内の話では、今年も本来の学区内で新一年生になるはずの数値160名に対し、現時点で入学予定者が120名程度ということだそうで、つまりは四分の一くらいは私立中学へ進学する様子です。

そういえば、先日、とある公立中学校の教員が集まっているところに同席しましたが、おかしな話をしておられました。自分の子供を私立中学に進学させるそうで、「公立の中学校じゃ、ちゃんとした教育は受けられない」からだそうです。あまりにも自虐的、自己否定的なその発想には憤りを通り越してむしろ大笑いしてしまった次第です。しかも、同僚が何人もいる前での発言で、且つ、同僚がそれに同意しているというオマケつきですし。

対して、私立の先生方は今は鼻息が荒いようで、「公立の教員には正しい教育はできない」などと豪語しておられるご様子です。確かに、公立学校の先生は半ば「お役人様」的発想があるのに対し、私立学校の先生は「教育のプロ」であろうという意識がより強いように感じられます。

ただ、それはあくまでも、現時点での話ではなかろうか・・・つまり、澱んだ水は結局澱んだ水になりかねないので、やがて、天下を手中に収めてしまったと私立学校の先生方が思い込むようになると、そこから公立学校の逆襲が始まるのではないか?と、密かに期待している私がいます。30年間健全経営のできる企業はありえないという財界の発想に随うと、私立学校はあくまでも企業ですから、きっとこれから10年〜20年の繁栄期を経て、衰退期に入り、やがて廃れていくものになるのではないかと・・・少子化だけがその理由ではありえないことを忘れてはいけないでしょう。まあ、この文書を読んで腹が立つ私立学校の先生がおられたら・・・その方は既に「奢る平家」ではなかろうか・・・と、そして、30年後は悲惨な状態にあるだろうと、その30年後には多分生きていないであろう私は勝手に予言させていただくことにいたします。