タレントと選挙

政治家は政治を行なう人であり、選挙の為にのみ活動してはいけないというのは常々身近な議員さん達に私が言いつづけていることです。ところが、これを理解できない人が世の中には多数おられます。それは、議員さんではなく、一般市民の大多数という意味であるというのが悲しいかな我が国の現状であります。そして、更に残念なのは、そういう方々は自分が「政治と選挙は別物」ということをあたかも理解しているという認識で、つまり、自分自身を理解していないということです。

少し前、九州のどこかで首長選挙があり、ブラウン管に露出度の高い、少しばかり政治学を学んだらしきタレントさんが当選しました。また、来月行なわれる統一地方選挙の目玉商品のような東京都知事選においては、やはりブラウン管に露出度の高い政治に無縁の方が出馬宣言をしている上に、多少は政治経験のある方が何人か出ておられる様子です。現職を除くと、争点はあくまでも「新しい知事を」とか「変革しなくてはいけない」ということだけで、具体的な策があるわけではなさそうです。

埼玉県民である私には都知事選などに関わる前に、地元の市議、県議選挙における各候補の動向の方が格段に大事ですが、身近な「一般市民」の皆さんは都知事選の方が興味があるようです。つまりはブラウン管の毒に染まり、本来の「選挙」を考えていないということでしょう。

この際ですから、タレントと称する人たちが総決起し、「タレント政党」をつくり、各地の地方選に出馬し、議会をタレントで埋め尽くすくらいのことをやってみたらどうなんだろう・・・議会はお笑い芸人と人気ドラマ俳優と歌手が百花繚乱・・・むしろそうなれば、自らを理解していない愚かな方々が本当の意味で地方政治に興味をもってくれるのではないか・・・というのはやはり所詮は暴言なのでしょう。