間違ったフォルクローレの感性〜島唄とかいう変な流行

ここ数年、沖縄だ奄美大島だと私の感覚では外国出身の歌手がもてはやされるようになりました。特に島唄とか呼ばれるものが大流行で、要するにあの地方(あくまでも私としては外国)に古くから伝わる歌い方がどうのこうのと講釈付きで音楽市場を席巻している様子です。

まあ、邦楽よりも西洋のクラシックの方が好きですし、埼玉に生まれ育ったにも関わらずこの地域の民謡などもほとんど知らない私ですから、あまり偉そうなことは言えませんが、クラシックより最近の音楽が好きなこの地域の若者達が何故に自分と全く縁の無い地方の民謡をアレンジしたものに興じるのかが不思議です。まあ、埼玉の若者が直実節や重忠節などを好んで歌っている姿はまず見かけないことですので、そう感じてしまうのでしょう。

良い節回しであると感じる南の島の民謡風歌謡曲も無いではありませんが、私のような懐疑的な人間からすると、本当にその節回しが何百年もその地で歌われてきたのであろうか?という疑問符をつけてしまうところです。単にメディアが売らんがなという姿勢だけでそういうフレコミをしているだけであろうかと・・・つまり、「商業民謡」であり、決してその地域の人のDNAにある「心」を歌っているとはどう贔屓目に見ても感じられません。

更に馬鹿馬鹿しくなるのはそういう、私にとっては「外国」である地域の歌を以って、「我々の故郷を感じさせる云々」という不思議な表現をしたがる人が多いことです。本当にそういった「故郷」を感じたいならもっと身近にあるはずの本来の日本の民謡、童謡、日本歌曲等を聴くべきであり、目新しそうに感じるだけで似非懐古主義にひたるのはどうにも無理があるように感じてしまいます。