景気は回復した?

バブル景気に匹敵する期間、景気が上昇していると報道されています。その割には庶民には景況感が無いとか結局は大企業だけが潤っているとか、やはりメディアは反政府、反資本主義の報道を繰り返しているようです。実際のところ、有効求人倍率やら各大企業の決算状況を見ていけばそれなりに景気は良くなっていることは間違いありませんが、零細企業経営者にとっては、弾けたバブルの影響も無く、また今の好景気の影響も無く、日々自転車操業をしているのが実態です。

自転車操業とは言えそれはそれなりに「回っている」というのが経営者としてのとらえかたのひとつであろうと思います。世の中の景気に直接左右されてのことでは無く、十数年前に我が社の取引先が上手に計画倒産をし半ば詐欺のように数百万円の不渡りを喰らった経験がありますが、それはあくまでもタイミングとしてバブルの崩壊と時を同じくして発生した事故でした。そして、当時、我が社は自転車操業などというものではなく「その日暮」といった状態で、翌月の資金計画など全く立たず、身を粉にして資金繰りに東奔西走したことを覚えておりますので、自転車操業は決して悪くないと常々考えております。

それにしても、ゲッキュウトリの皆さんが景気が良いとか悪いとかの影響を受けるとしてどの程度のものなのでしょうか。年収が2割減ったとか3割減ったとか大騒ぎをしていましたが、仮に一千万円の年収の方でもたかが1年間で300万減っただけではありませんか。我々零細企業の経営者には一瞬で何億円の損失を出すことも無いとはいえないので、その程度は減ったの増えたのと言う話ではありません。

さて・・・景気が悪かった時代に生活が苦しいとか仰っていた皆さんに申し上げたいのですが、生活が苦しい人の家は各部屋にエアコンが装備され、ドアが3つ、4つ付いた冷蔵庫があり、電子レンジがあり、テレビやビデオがあり、そして、「ドニチ」というお休みもあるのです。一体それだけのものを手にしていて何が景気が悪いのか?何が生活が苦しいのか?・・・今夜の米味噌に事欠いた経験者としては馬鹿馬鹿しくてそんな話題に参加することすらできないのが本音です。