バカと貧乏人は株投資をしてはいけない

平成初期、バブル景気に蔭りが見えてきた頃、ゲッキュウトリという人種であった私の周りには同じゲッキュウトリで株投資をしている連中が何人かいました。月給手取りで20万とか30万とかの奴が何故か一ヶ月に数百万、時には千万単位の株式の売買をしており、その資金はどこにあったのかと問うと銀行から借りているとのことでした。

その後、私も会社を辞め、しばらくしてそのうちの一人と再会したのですが、彼は当時とは別の会社に勤務しておりました。そして、週末は近所のスーパーマーケットでアルバイトをしているとのこと。何故そうなったのかはご想像通りでして、株式投資の為に別の理由をつけて銀行から借りたお金が返せず、正規の会社の手取りで生活費、アルバイトで借金の返済をしているということでした。

まあ、その程度で済んでいるのなら良いではないかと私は考えますが、世の中にはもっとバカなゲッキュウトリがたくさんいて、株式というものでいくら儲かったのいくら損したのと一喜一憂しているようです。そして、最近では株式投資をした会社の経営状況が悪くなったりするとその会社の経営陣を訴えるなどという暴挙に出るものまでいるようです。そのくせ儲かったときはsの儲けを誰かに還元することなどしないのだからご都合主義も甚だしいと思えます。

決してゲッキュウトリは株式に手を出すなとは言いません。ただ、自分の生活が危うくなるレベルでやることがバカのすることであります。また、ただのゲッキュウトリには「オレの会社」などと言う資格はなく、単なる「従業員」という立場であることを忘れてはなりません。仮に「社員」であるのなら、自社の株式を購入し、その株式の価値を上げることが正しい姿なのです。日本の社会はどこから間違いが始まったのか多くの個人が他力本願の博打でしかない株式投資に手を染め、それでいて自らの所属する会社をないがしろにするのが当然となったようです。我が社では当然ストックオプションも導入しており、皆、自社株を持ちその価値を高めるべく日々努力してくれています。これぞ正しいカイシャのあり方だと私は満足しています。何しろその発行株式の過半数を持つ私は、自力で株式の価値を高められる、即ち博打ではない正しい株式投資をしているわけですから。