弱者貴族

地元の高校吹奏楽部の定期演奏会を聴きに行きました。入場料は600円、当日券を求めるには長蛇の列、そして当然会場は満席。この調子なら普門館まで行けるか?と思える大変高いレベルの演奏を満喫できると第一部終了時には実に満足しておりました。演奏への賛辞は後日校長先生に直接お会いする機会があるので、ここに記すものではありませんから割愛しますが、休憩をはさんで第二部から私の前の席に座った親子連れに相当不機嫌な思いをさせられました。

知的障害者と思しき10歳くらいの男の子、退屈で仕方が無いという状態からやがて隣や前の席の人に手を伸ばす、そして、少しずつ奇声を発する・・・私も「出て行け!」と言えるほど偉いわけではないので我慢をしておりましたが、ほぼ限界でした。それにしてもその母親、自分が音楽を聴きたいのならその子をどこかへ預けるなりすれば良いし、子供に聴かせたいならそれなりの配慮をした上で第二部から来るなどのことはせず、最後列の一番横にでも席を取るべきだと考えましたが、きっとこういう人達は本日の表題である「弱者貴族」なんだろうなと感じました。

弱者貴族と言うのは私が勝手に作った言葉で、このほかに「営業弱者」というのもありますが、それはまた別項でとして、要するに弱者であることを以って特権階級意識を持ってしまう残念な人のことを指します。周囲の人が迷惑しようとどうしようと「私はこれこれの弱者と言う立場を持っているのだから当然」と言わんばかりにその権利を行使でき、また、特にそれが障害であったりする場合、周囲の人がある程度遠慮してくれるのを良いことに好き勝手放題です。

音楽会で奇声を発することによりどれだけの人間を不快にしているかを考えることなどこの弱者貴族には通用しません。仮にちょっとでも注意しようものなら「差別した」と、今時の表現で言う「逆ギレ」するのでしょう。自社で主催する音楽会もある私としては本音は「我慢できない人の入場お断り」と暗に知的障害児等を排除したいのですがそれもできません。弱者貴族に対してはこれからもサワラヌカミニタタリナシという接し方しかできないだろうと思う自分が悲しく思えてしまいます。