「更新してなくてすみません」

今、日本人のインターネットユーザは国民の6割を超え、また、自らのBLOGと称するものを持っている数も数百万件と言われています。人気のあるものは相当数のアクセスがあり、中には1日何万件という人が見ているサイトがあるそうです。

人に「どこそこのBLOGは面白いから必見ですよ」などと勧められてそういう人気のBLOGを見てみますが、自分の仕事、趣味、思想他と合致しない場合が多く、また、勧めてくれた人のそれともあまり共通性が見出せず、何故そんなものが面白いのか理解できない場合がほとんどです。尤も、「自分とは全く違う世界を垣間見る」という面白さがあるということは否めません。とはいえ、何もそんなものは毎日見るべきものではなく、たまに気分転換で見ればよいのではないかとこれまたヘソマガリになってしまいます。

さて、多くのBLOG書きの皆さんは不特定多数の読者と言うのをターゲットしている様子です。そして多くの人はそれを自らが公人であり、モノカキとしての権利のようなものを保有している錯覚にとらわれているようです。本日のタイトル「更新してなくてすみません」などという誰に言うとでもなく詫びている、それでいて実は「私の文章が読みたい人の為に今日は更新してやったんだぞ」とでも言いたげな表現が一言でそれを顕していると思われます。

正直なことを言えば、私がこの「闇鍋」を始めたのはとあるところから週間コラム掲載を依頼されたから「では、適当に書き溜めて行きますから選んで使ってください。」という流れでした。ですから、私の場合は「更新してなくてすみません」というより、「記事が多すぎてすみません」というのが妥当なところです。私の場合、現実空間のトモダチには事欠かず、生身の人間としての時間のほうが格段に長いのですが、きっとネット社会だけで生活している気の毒な人々は誰かが自分の記事を読んでいてくれると信じるが故の「更新してなくてすみません」なんでしょう。