警察が悪い

変質者が増加し、街中を徘徊しているそうで、実に恐ろしい世の中になったものです。メディアに載る事件の中では長期にわたってのストーカーやら不審者が目撃された例やらがよく出てきますが、以前、身近なところで起こった事件の時、私自身も「そういえば」と思ったことがありました。

さて、報道の上で、常に気になるのは「警察に相談したが相手にしてもらえなかった」「警察が不審者情報を隠していた」といった情報です。そこには加害者と被害者が存在し、読んで字の如く加害者が被害者に害を与え、警察はその事件を未然に防げなかった場合、或いは事後でも解決できなかった場合において、あくまでも「多少の」責任が生じてくるとは思いますが、昨今の報道では警察の対応は加害者よりも悪いものとして為されているような気がしてなりません。

正確な情報ではありませんがとある傷害事件における裁判で原告側が加害者に対して提示した損害賠償額が数十万円程度であるのに、警察や自治体にそれぞれ数千万円を要求したという話を聞いた覚えがあります。もし間違いであれば申し訳ありませんが、少なくとも昨今の報道はその責任の重さに対し、あたかも加害者よりそういう加害者を野放しにした警察や自治体に責任があるかのように為されており、また、被害者やその周辺の人々もそのような錯覚に陥ってしまう例が後を絶たないのでしょう。

我が国の警察官は少なくとも世界各国と比較して、決して高圧的ではなく、よく働き、日々精進している方が多いのではないでしょうか。ごく一部の不祥事を働く警察官も存在するかもしれません。ごく一部の「未然に防げたはず」を見逃した警察官もいたかもしれません。然し、大多数の警察官は日々身を粉にして市民の安全を守っているのです。憎むべきはその警察官ではなく実際に犯罪に至る人間であることを忘れてはなりません。