上座はどっちだい?

変な日本語の話は常々話題にしておりますが、変なお作法というものも最近気になるようになりました。そもそも、客先に行く必要の無いときはネクタイなどせず、仕事場ではスリッパで過ごしており、我が子等が小学生の頃「お父さんはいつお仕事するの?」と問われていた(つまり、子供達は、お父さんというものはネクタイを締めて出かけるものだと思っていた)ような人間ですので、既に「お作法」を語れる立場には無いのかもしれません。

然し、最近、不思議に思うことは、取引先を訪問すると、応接室なるところに通され、「こちらにお座りください。」(既に変な敬語)などと言いつつ入口に近い席を示されたりします。また、先に来て商談をしていた担当者が上司の入室に伴い、奥の席を譲るかと思うとそのようなことすらせず、上司もあたりまえのように入口に近いところに着席します。

一番気になるのは、異業種交流などの宴席ですが、早く来た人から奥に座るという図式ならまだしも、大抵一番奥と一番手前にばらけて座っていきます。本来の上座であろうところ、即ちその会の会長なり長老なりが座りそうなところに平気で陣取ってしまう人もいて、「こちらは空けておいてください」などと言うのもはばかられるので私としてもそこは知らぬ顔の半兵衛を決め込んでしまいますが・・・

これがクラブのOB会などであれば、後輩に対してならそれなりに指導でき、仮に先輩であっても更に上の先輩の出席がわかっていれば「後で○○先輩がお越しになりますが」で通じるのですが、オトナというものは不便にできていると思うことが多々あります。もしかしたら、既に「上座」などというコンセプトは現代人には存在せず、適当にやれば良いことなのか・・・と思いつつ、常に下座を選んでしまう余計な小市民的気配り(しかも自己満足でしかない)を持つ自分に腹を立ててばかりです。