国民投票に反対するのは何故か

改憲論議が華やかだったのは少し前のことですが、日本国憲法は今のままで良いか変更すべきかということがポイントであるはずなのに、メディアは与党のやることは常に悪と報道しますから世間では改憲=悪と見ている人が多いようです。「改正」という言葉が成り立つのであれば国会は立法府なのですから常に法律を改正していくのが仕事であり、その基本となる憲法にもし過ちがあるとしたらそれこそ直さなくてはいけないものであるはずなのに不思議なことです。

憲法を改正するのであれば国民投票を必要とすると定めたのは戦後に憲法が制定された時点であったと記憶しております。ところが、その国民投票に関わる法律が不備のまま60年が経過しているということです。何しろ、日本国の行く末を決定するであろう重要な憲法の内容を変更するか否かの重要な案件ですから国民投票が行なわれるのは当然のことと思われますが、何故か野党の一部は反対しているそうです。

最近ではその言葉を使わなくなったようですが、舌足らずの不気味な言葉遣いをする弁護士出身の野党党首の方は「憲法の改正に反対します」と堂々と言っていました。正しく改めることに反対だそうで、つまりはたとえ間違ったものでもそのまま継続すべし・・・という恐ろしい発言であると思いました。まあ、オヤクショの方々が良く使う「前例が無い」という表現の延長線上ではないかと思いますが、それにしても良くもまあそこまで馬鹿げたことが言えるものです。

さて、その馬鹿げた話が少しばかり変わってきて、「改憲反対」という表現であればすなわち「改正」か「改悪」かという論議もあろうとは思いますが、その内容に関し、与党だろうと野党だろうと真摯に検証を重ね、論議を重ね、修正に修正を重ねた上で国会においての決定をすべきでしょう。国会の決議こそ我々国民が代表として選んだ人々の決定ですから、完璧とは言わずともそこそこの内容が決まるはずです。そして、それを国民投票と言う場に図る次のステップがあるわけですが、現在、国会で議論されているのはその国民投票に関わる法律の是非だそうです。そして一部野党の方々がその法律を作ることに反対しているということだそうです。良く良く考えてみればこれはどういうことか・・・即ち、「国民投票で正当化されるものは正しくない」と言っているわけで、同じ国民の一人である私達民間人を間違った選択を為す者であると言っているわけです。2005年の総選挙は「国民に真を問う」と言った結果、自民党の圧勝でしたが、結果はどうあれそれが多数決の論理である以上、決定に従うべきでしょう。国民投票を否定するということは国民不在の政治を行なって良いと言うことと同義であると気がつかない人々が気の毒でなりません。