生涯免許

運転免許証というものは取得後、3年〜5年で更新を行なうことによりほぼ生涯その権利を行使できるものであります。更新という表現は曖昧で、そのたび、視力・聴力検査等、適性の確認とちょっとした講習が行なわれています。結局、たいしたことも無く今回タイトルに掲げました「生涯免許」であり、更新さえしていれば所謂ペーパードライバーとして50年経過した70歳以上の方でもいきなり運転してかまわないという不思議なシステムです。

運転免許の「謎」はまた別項で述べるつもりでありますが、今回は他の多くの疑問点に触れてみたいと考えました。この免許制度や資格制度には多分世界どこへ行ってもほとんど変わりが無いとおもわれる不合理が存在しております。医師免許、弁護士資格など、人の命や国家の行く末まで左右しそうな資格は一度合格すれば生涯使える既得権であり、特に医学などという日進月歩の分野において、50年前の知識のみでその後何の研鑚も積まなかった方が医師としてその仕事をされている場合も多々あるわけです。教員、調理師等も同様でしょう。当然、人間の「良心」に則り、それぞれの世界での技術革新に伴う知識に対し日々研鑚されている方は多いであろうと考えられますが、冒頭の運転免許の例と同じで、仮に30年ほど他の仕事をしていた医師免許を持った方がおられて、ある日突然開業してもその方は「医師」であるわけで、「本当に大丈夫なの?」では済まないような気がします。

メディアでは立法府におられる方々を悪し様に表現したがりますが、実は議員さん、首長さん達は4年〜6年の間に選挙民の審判と言う免許取得以上に厳しいであろう資格取得試験を繰り返しておられます。そして、そういう議員さん達が作ってきた法律に則り、一度取得した免許・資格が生涯有効であるとされているのです。あくまでも「良心」が存在していると信じてのことでしょうが、特に人の命や安全に関わりそうな免許・資格に関してはできるだけ「更新制」を厳しく制定していただきたいと考えます。

さて、それでは一般的な事業者はどうか?と問えば、この「資格審査」が毎月何回か発生する支払日に行なわれ、更に厳しい審査が毎年決算のたびに行なわれるわけですね。その割には所得が少ないとぼやきたい気分ですが、ゲッキュウトリという立場の方々も同様で、いくら労働関連の法令に守られているといえども30日の猶予期間での解雇命令という可能性は実は毎日存在しているということです。やはり若いうちにもっと勉強して「先生」と呼ばれる職業に就けばよかった・・・