オマエは社長かっ!!

電話応対のマナーなどというものは新入社員研修でそれなりに学んでいるでしょうが、その研修そのもののやり方が問題なのではないかと思われることがよくあります。営業という見地から重要な交渉になればなるほど「メールより電話、電話より訪問」ということを心掛けておりますが、20世紀末頃からは何でも電話で済ませる風潮が強く、その後、メールでのやりとりが急速に増え、営業活動そのものが乾いたものに感じるようになりました。

メールにおける「書き言葉」もその昔の文書によるご案内と比較すると、時候の挨拶に始まり段落を変え、本題に入りという手順ではなく、単刀直入で無味乾燥なものが主流となりました。その点、電話というものはいくらかでも声のトーンなどで相手の考えているところが読み取れる分だけ血が通った会話ができると思うのですが、最近の若い人達はこの「話し言葉」においても抑揚が少なく感情がこもっていないことがおおく見受けられます。

取引先にせよ、全く新規(多くは無意味な勧誘)にせよ、電話がかかってきて結構気になるのは先方さんの名乗り方でして、「○○株式会社と申します。」なんぞといわれることが多いことです。確かにこちらが電話に出た場合特に個人名を名乗らず社名のみ応答することが多いのですが、先方が社名のみを名乗り、用件を話し出すことが多いのには閉口しております。長い付き合いで声だけでほぼ相手が特定できるのならまだしも、同じ会社の違う方とも付き合いがある場合など、どう対応したら良いものか・・・営業一課の方なのか営業三課の方なのか、それによって、「この前の件ですが・・・」の内容が変わってくるので苦労します。

会社というものは「法人」ということで、法的に人と見なされている、そして、その代表権を持つ物が社長であると勝手に思い込んでいる私としては、社名のみを名乗られた方はその社長であるという認識をして対応するようにしております。ヘソマガリであろうとなんであろうと、社名のみを名乗る以上、その会社を代表しての電話となるわけでして、その後に部署名や個人名がつかない場合は電話をかけた人がその会社の全てであるという認識をすべきです。ゲッキュウトリの営業さんはそういうところまで考えずに電話をかけるようで、その応対ひとつだけで大きな取引を逃してしまう危険性など気にもかけずに今日もまた気がつかずに社長になりきって電話をかけてしまっているのでしょう。貴方も貴方の会社の社長さんも、皆さんお気の毒です。