無党派層という低知識人

およそ流行語大賞なんぞという言葉が使われ始めてからいくつかの事象を指す言葉が曖昧になり、本来軽蔑を込めて言われるべきところが何やらハイレベルに感じてしまう勘違いが横行しております。フリーターやらニートやら片仮名にすれば格好良いというところですが、要するに不定期労働者(昔の差別用語的に言えば日雇い)や失業者のことなのだと気がつかず、「職業はフリーター」なんぞと自慢する馬鹿者が増殖しています。

尤も、私の如き世間で言う社長も実はこのフリーターに近いものがあり、日々資金繰りに汲々とし、支払日、特に従業員の給料日が来るのを恐れ戦き、無事その日が過ぎるとほっとしつつ、妻には「ウチの給料は?」と言われれば未払い・会社へ貸し付け等の繰り返し。むしろ一定時間を拘束されているだけでそれなりの給金を支払われるフリーター様の方が私より上流階級に位置しているのではないか・・・時間給に直したら私の時間単価は???等と悩むことも多々あります。

という愚痴はさておき、ここ数年、メディアでも良く使われる無党派層という表現が気になってなりません。選挙の時など街角のインタビュー(これ自体が無駄に見えますが)に応える方々は堂々と「無党派です」とのたまう場合が多いと感じます。どこかの政党を支持していると言うと偏っていると思われるのが怖いのか・・・皆一様に無党派層であることが先端思考であるような錯覚に囚われているようです。支持政党が無いのはそれはそれで悪いことではなく、いや、むしろ個々の政策に応じてこれは○○党が一番良い、こちらは△△党が良い・・・と考える必要性があると思うのですが、この無党派層の方々の多くは実は「わからない」というのが本音で、「投票に行きますか?」という質問に対して一番高い比率で「行かない」と堂々と胸を張って答えます。国民の義務を怠ることを自慢するわけですから、これは本当に馬鹿としか言いようがありません。

与党、野党に渡り、仕事上でも個人的にも議員と付き合っている私はこういう自称無党派層の非国民に「貴方も無党派層ですね」と言われますが、冗談じゃぁありませんよ。私は、国政も地方政治も100%ひとつの政党が行なって良いものであるなどと考えておりませんので、選挙のたび、個々の候補者の主張を全て吟味した上で、一番自分に近い政策を打ち出している人を支持しているだけですから。自分はどうあれ、人に対して貴方は無党派層ですというのはオマエは馬鹿だと言っているに等しいと思います。あくまでも言いつづけます。私は「超党派層」です。