愚行と蛮行の差

表題に関し別の表現をすれば「オトナとコドモの違い」といったところを考えてみたいというのが今回のテーマです。いつの時代にも「今時の若い者は・・・」という言い方が使われて来たわけですが、「若い者」に限らず、今時の年寄りは・・・とか今時の中年は・・・ということはいくらでも言えるわけで、単に我が国では長幼の序が重視されているから若い者だけが槍玉にあがるわけです。

今時の中年である私の世代の人間が今時の若い者をとやかく言えるかどうか?と自問自答してみますと、答えは否定的にならざるを得ません。私が若い頃はこうだったと考えてみても、それはその頃、父母の世代に「まったく、今時の若い者は・・・」の一言で片付けられてしまうレベルのことでありましたし、未だにオトナになりきれない自分を発見することは日常茶飯事なのに、どこ吹く風・・・それでいて自分の子供の世代に小言を並べ立てているわけです。

表題に使用した「蛮行」というのは昭和40年代の高校生であった私が大好きだったバンカラな生き方を表現したかったものです。今ではほぼ絶滅危惧種と化したバンカラですが、それでいて若い人でも勘違いして蛮行を格好良いと思い込み行なっている様子。「知らない」ということを殊更に自慢する、批判だけして代替案等を一切出さない、酔っ払っているのに「オレは強い」と繰り返す等がその例ですが、特に最近気になるのは交通ルールに関するものでして、まずはシートベルトを締めないことですね。「何でシートベルトしないの?」と聞くと「必要無いから」という答えがほとんどですが、そのくせ自動車保険に何万も使っているんでしょ?と思うのですがねぇ・・・

他には自転車の乗り方に関しては老若男女すべてに共通して愚行が増えていますね。夜間、無灯火で道路の右側を走っているのが半ば流行のようですが、何のためなのか常に疑問に思います。先日など、左側を走行していた自転車がわざわざ右側に「車線変更」した後、あらためて左へ寄り左折していった姿を目撃しましたし・・・

結局、皆、「蛮行」に対する憧れがあり、自らは蛮行と思いつつ愚行に及んでいるのだろうなと思うほかありませんが、斯く言う私自身が一体どのくらいの愚行を積んでいるのか・・・こればかりはそれが愚行であるが故死ぬまで気がつかないのだろうなとついついバカ自慢をしてしまうあたりがこれまた愚行であります。