近々、人類は滅びます

十数年前には、よく講演等を頼まれたものですが、内容が無い上につまらない講演ばかりしていたため、最近ではとんとその話が来なくなっておりました。もっとも、カネモウケを考えると、講演というのは費用対効果が悪いものなので、最近ではお断りしていることが多かったのですが、先日、久しぶりに「持ちネタ」のひとつである情報言語学の「説得力と納得力」に関する講演をやってきました。今日は、今までその講演の「枕」に使っていた「コミュニケーションの歴史」の部分を少しばかり披露いたします。

諸説ありますが、宇宙の歴史は136億年という説が有力とされています。そして、太陽系・地球の歴史は46億年といわれています。この数値をまず頭に置いたところで・・・地球上に生命体が誕生したのが38億年前。当然ながら単細胞動物であり、その時点では単に同じ個体が分裂していくだけなので、コミュニケーションというものは必要とされていませんでした。では、その単細胞動物が多細胞生命体へと進化を遂げたのは、8億年前とか6億年前とかであろうと言われています。つまり、地球誕生後8億年で誕生した生物が多細胞生命体へ進化するために30億年を要したということです。多細胞生命体になったことで、今までの同じ個体が分裂していた時と違って、コミュニケーションの必要性が出てきました。それらは主に求愛と排他をベースにしておりましたが、やがて、情報伝達というものに進化します。外敵の侵入に対する警告と食糧等の存在の告知が当初のコミュニケーション内容でした。

人類らしきものが十万年〜数十万年前に出現し、その進化に伴い、多分一万年前くらいに発声による情報伝達のほかに記録という概念が誕生します。当初、地上のごく一部に存在していた人類は世界各地に拡散し、そのため、個別のコミュニティを作り上げ、並行して発達した言語体系はコミュニティ独自の進化を遂げ、その中に排他性を強く持ち始めます。更に、言語には文学性が加わり、概念を伝えようとしても、100%伝わらないという、実はこの言語という便利なツールが足枷になり始めたのがおそらく2〜3千年前のことでしょう。(ここまでが冒頭部で、この後は講演の最後の部分になります。)

今日、その言語に起因する〜〜たとえ同じ言語を使用していても、情報発信側と情報受信側の「説得力と納得力」の欠如が存在する〜〜「誤解」というものが残念なことに下等動物よりも人類が争う原因を作り出しています。正しい情報伝達ができないために小さな争いから世界規模の戦争が発生するということですが、ここで注意すべきは、文明は進化してしまったのに20世紀末から情報伝達ツールとしての言語が退化をはじめていることです。更に強力な兵器が開発されていく中で、情報が正しく伝わらないのですからそういった風潮が徐々に人類の文明社会を蝕み、やがて人類は滅ぶということです。タイトルの「近々」というのは、数百年〜数千年という意味合いで使用しております。別に今すぐというわけでもないので、今を生きている人類は淡々と人類としての活動を続けていく中で、滅びないための「何か」を探し出せれば存続する可能性はあるでしょうが、果たしてこれから数百年のうちに人類がそんなことをできるようになるのか・・・残念ながらその前に私自身が滅びてしまうので結末はわかりませんが・・・

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