あまりにも残念なさいたま市の統一地方選

4年に一度巡ってくるのは五輪やサッカーW杯だけではありません。統一地方選挙というものがありまして(まあ、ご存知の方は当然のこととお考えでしょうが、愚民にとっては「へぇ〜。で、それは何ですか?」といった反応でしょう)我が国の各地で県議選、市議選等が行われることになります。まずは、賢人の方々も愚民の方々も平等に且つ限られた参政権を行使する機会ですので、必ず投票に行きましょう。

約10年前、さいたま市という政令指定都市が誕生しました。その後の統一地方選は国家が定めた法律により、選挙区割りというものが細かくなり、現在、人口130万人が10の区に分かれています。旧浦和市、旧大宮市では、それぞれ6人の県議会議員を出していたのですが、それぞれの市が4つの区に分かれたことにより各区より1人か2人の県議会議員が選ばれることになりました。8年前の選挙で実際に発生したことですが、それまで大宮市選出となっていた県議会議員が2人、同じ選挙区、それも一人区で闘うことになり、当然片方が落選し、他の選挙区から今まで当選からは程遠かった候補者が2人区の2位、それも他には泡沫候補しか出ていないというところでの当選となりました。オール大宮で見れば、6位になっていた人が落とされそれまでベスト10にも入れなかった人が議員になったという事象です。

更に、ここで、これまで無かった「一票の格差」が発生するようになりました。人口11万人の選挙区から県議が1人、14万人の選挙区から2人というとんでもないことが起こっています。格差は2倍以内ではあり、参議院等で見受けられるものほどのことはありませんが、それにしても、今まで無かった格差を敢えて創り上げたという結果になります。

そもそも、小選挙区制の最大の難点は、極論すれば、民意が反映されにくいことです。仮に1人区に3人の候補者が出馬し、3人が僅差の勝負をしたとすると、投票者のほぼ三分の一の賛同で一議席が決ります。昨今のように投票率が40%程度まで落ち込んでしまったとすると、全有権者のわずか17%程度の支持でその議席が決るということで・・・では、83%の民意はどこへいくのでしょうか?という質問には誰も答えられません。市町村の合併おおいに結構、議会定数や行政従事者の削減もおおいに結構。しかし、弊害として発生しているこの不合理は、国家が定める選挙に関る法律によるものですので・・・何とかならないのでしょうかねぇ・・・