非国民の選挙と非常識な選挙制度

政権交代」なるものが行われて約10ヶ月、その結果を踏まえて国民に信を問うなどと言われた参議院選挙が行われました。なんとなく反体制が格好良いという「民意」なるものが反映され、現政権を担っている民主党が惨敗、何やら期待できると思われたのか、みんなの党議席を伸ばし、自民党もいくらかの議席を回復した・・・という結果は、私にとっては、まあこんなもので良いのだろうと思えます。

それにしても、相変わらずタレント候補なるものが乱立し、どこぞのゴルファーの父親が参議院議員となって3年間、議場に行ったことが無い等の事実すら忘れ去ってしまった愚民達がまたぞろそんな連中に投票し、不適切な参議院議員が何人も誕生しました。元プロ野球選手、元歌手、現役柔道選手等々、果たして彼等に政策立案能力があるのか?とか、そもそも国会とは何をするところであるかを理解しているのかとか、そんなことはお構いなしの様子です。当然、ダメな議員はたくさんいたでしょう。しかし、少なくとも今回落選した多くの「プロの政治家」と比較したとき、そういったタレント議員達は足下にも及ばない能力しかないのです。そういったタレント候補に投票した愚民に限って「政治が悪い」と平気で言い放ちます。政治が悪いのはその政治を行う政治家を選んだ選挙民が悪いのだということに未だに気がついていないようです。

また、衆議院にも同様なことが言えますが、各選挙区の定員が1とか2である場合、いわゆる「死に票」が多くなります。また、非拘束名簿方式の比例区でも、結果として民意が反映されません。今回、気がついた「本当かよ?」と言いたくなる事実は、新党改革の新井氏は記名で65,000票程度で当選したのに対し、国民新党の長谷川氏は40万を超える得票でありながら議席を得るに至りませんでした。政党名での投票数で見ても新党改革が117万票、国民新党が100万票と大差はありません。個人名での投票数として、長谷川氏は全体のベスト10に入っているにも関らず落選とは、ご本人及び関係者の方々(実際、特定郵便局関連の組織票を取り纏めたでしょうが)は忸怩たる思いであろうと拝察いたします。

では、この選挙制度、如何様にすればそういった問題が無くなるのか・・・それを議論すべきが議会です。ところが、たった242人しかいない参議院議員の中に、47都道府県が言えなかったり、掛け算の九九が言えなかったりするタレント議員が何人いるのかを考えますと・・・この国の行く末はそういう連中に投票した愚民達により、ますます酷い方向性を持ってしまったとしか言い様がありません。