子育てってそんなに大変ですか?

サラリーマン時代の部下だった女性と十数年ぶりに再開いたしました。そこで浮いた話にでも発展すれば、それはそれで面白い記事でしょうが、全くそんなことはありえません。何しろ、彼女のご亭主は当時同じ会社の隣の部署におり、合同で行なった忘年会に起因して結婚したわけで、そのご亭主も一緒にお会いしたという状況下でのことです。

30代も半ばを過ぎた彼女とちょうど40歳になったご亭主、傍らには私立の小学校の四年生であるという一人娘・・・これがまた良く出来たお嬢さんでご挨拶はちゃんとできる、敬語はそれなりに使いこなす、オトナの会話には適度に耳を塞ぎつつ・・・まあ、本格派のお嬢様でした。しかし、その母親である私の元部下はというと、やれ亭主が甲斐性無しだ、やれ子育てには金がかかる、やれ出産は大変だったと世の中のジェンダーフリー教徒を代表するかのような発言を機関銃のように乱発し、ついには私も若い頃に戻って一喝してしまいました。

専業主婦であり、ご亭主はそこそこ業績の良い上場企業の課長補佐となっている彼女の話では、子育てというのは相当大変な労働だそうです。話は出産から始まったのですが、その妊娠期間の苦労たるや地獄の責め苦が約10ヶ月、そして、産婦人科医が言うには比較的安産であったというその出産はここで命を落すとまで感じ、産まれたら産まれたで、毎日の世話が大変、幼稚園の送り迎えから私立の小学校を受験させるための塾通い、家庭教師、そして入学後の学費と塾の費用と延々と続きました。娘の出産から幼児期の苦労が原因で、離婚を考え、二度と子供など作る気にならないという言葉まで出てくる中を隣のご亭主は何も言わずにおられるので、本当にいたたまれなくなってしまい、「そこまで言うなら離婚したらどうだ!」と叫んでしまった次第。

確かに大人気ない行為に至ってしまいましたが、我が家には市立の中学校、小学校に通う子供が二人おり、その出産に立ち会ったわけでもなく、幼児期、子供が夜泣きすると私に対しても「ごめんね」と言いながら乳を与えていた妻がおり、今の時点で塾などに通っているわけではなく・・・それでも子供達はすくすくと育っております。将来我が家の子供達が社会的に問題を起こしたり或いは犯罪者に成らないとは現時点ではわかりませんが、彼女のお嬢さんと我が家の豚児達の子育ての違いに関しては、十年後、二十年後に答えがでるでしょう。そのときになって私は後悔するのでしょうか?