増税=即、庶民の楽しみを奪う・・・か?

私は喫煙者です。ショートホープというかなりニコチン・タールの強い煙草を1日25〜30本吸っていますので、まあヘビースモーカーというべき存在でしょう。そういう人間にとって、このたび、煙草の増税が決定したというニュースは「これはまいった!」というところでしょうか?

以前より増税という言葉に対し、メディアは実に敏感で、増税はとにかく世間の敵であるというとらえかたをし、喧しく騒ぎ立てます。税金の使途に関してとやかく言う部分は21世紀になってやっと取り沙汰されるようになってきたようですが、それ以前はどのような形の増税でもそれは「庶民」の敵であったような気がします。

消費税が3%から5%になった時も、庶民の生活を圧迫すると大騒ぎでした。それは確かに今まで以上に出費が増えるのですから大変なことです。ただ、計算してみればその比率とはどのようなものか・・・105/103という計算になるのですから、実は2%弱の出費増です。つまり、100円のものが102円となるわけですし、世間のサラリーマンと称する皆さんの場合、毎年それ以上の所得増があるわけですから、それは決して生活を破壊する増加では無いでしょう。仮に年収500万円の方がいたら、その所得を全て、貯蓄も何もせず使用したとして年間10万円程度の出費増ですね。これは確かに大きいとは思いますが、それでは、年収1億の方の場合はどうなるでしょう?同じ計算式を当てはめれば年間200万円の出費増です。つまり、消費税というものは使えば使うほど納税するという大変理に叶ったものであり、所得の多い人ほど多くの額を納税していることに気がついていないのでしょうか?

では、煙草や発泡酒に関わる税金はどうなるか・・・というのが私の最大の疑問点です。年収500万の人の20倍の本数の煙草を年収1億の人が吸っているという理論は成り立ちません。即ち、金持ちからも貧乏人からもその喫煙量、飲酒量に比例した税金を徴収するわけで、こちらは消費税より「庶民いじめ」であるように感じられます。と、斯く言う私ですが、実はこれっぽっちもそのようなことを考えているわけではありません。なぜならば、飲酒、喫煙というものは、それ自体が既に庶民の生活における必要十分条件では無く、贅沢な嗜好品であるからでして、仮に無くなっても生きていけなくなる存在では無いからです。こういう嗜好品から税を徴収するというのは至極当り前の行為であり、喫煙者でありながら「増税大賛成」とひねくれ者の私はこのコラムを書いた後で今のところ7円半程度の納税行為に及ぶのであります。